英国の防衛関連企業BAE Systems社は、赤外線スペクトルにおける視野から車両を効果的に隠すことができる、一種の“光学迷彩システム”の開発に成功したことを発表しました。
 すでに特許取得済みという新システムは『Adaptiv』と呼ばれ、温度を高速で変化させることのできる六角形のピクセルで構成されるマトリックスを利用しています。
 複数の車載カメラで周囲の状況をスキャンし、その特徴を車輌表面に表示することで他の物体に見せかけたり、温度ピクセルを使用することで赤外線スペクトル内での不可視化を実現させることができるのだそうです。



 現在のシステムは赤外線スペクトルで機能し、熱追尾式のミサイルや無人偵察機、熱探知による暗視ゴーグルなどから車両を見えなくすることが可能だとのこと。同社の技術者たちは、この「ピクセル」を他の技術と組み合わせることで赤外線以外の電磁スペクトルでもカモフラージュが可能となるよう研究を進めています。

 同社のマイク・スウィーニー氏によれば、「(Adaptivは)戦車の表面が大きな赤外線テレビになるようなもの」であり、ピクセルで構成されるパネルには好きなものを表示させることができる。例えば「牛」を表示することも可能で、「車輌の残りの部分は背景に溶け込んでしまう」らしい。



 これまでに同種の技術は開発されてはきましたが、コストや必要となるエネルギーの大きさ、脆弱性などの点で実用的ではなかったのだとか。BAE Systems社の製品はこれらの問題点を克服しているという。
 また、ピクセル単位で構成されるパネルは様々の大きさに作ることができるため、必要に応じて解像度を調整するなどの工夫で、さらに広い範囲を見えなくすることも可能とのこと。

(source.WIRED.jp - 赤外線カメラ向けの「光学迷彩」)




 ニコニコ版動画。収録時間が長くて詳細なので。
【ニコニコ動画】Adaptiv 赤外線カモフラージュ


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